壁紙のよみもの

【壁紙ものがたり】壁紙が、もう一度「暮らしの喜び」を運んでくれた

 

はじまりは「デイジー」との出会いから

 

八ヶ岳山麓、標高1500メートルを超える高台に建つ、一軒のログハウス。友枝圭子さんのお宅を訪れたのは、青空がまぶしい冬の日のことでした。 東京から移住し、長野県原村にてファッション雑貨店「ハートヴィレッジ」を営みながら、手芸作家としても長年活躍する友枝さん。八ヶ岳の暮らしももうすぐ25年になりますが、「住み慣れたこの家に向き合うことが今、久しぶりに楽しくて仕方ないんです」と、輝くような笑顔で話してくださいました。

 

雑貨店 ハートヴィレッジのイメージ画像
雑貨店「ハートビレッジ」。友枝さんのセンスで集められた衣服や食器、アンティークレースなどのほか、友枝さんの作品も購入可能
「ハートビレッジ」店主で手芸作家の友枝圭子さんのイメージ画像
「ハートビレッジ」店主で手芸作家の友枝圭子さん

友枝さんに「家をもう一度変える喜び」を運んできたものこそ、一本の壁紙。その出会いは5年前、松本のイギリス雑貨店でウィリアム・モリスの「デイジー」を見つけたことが、そもそものはじまりでした。

「お店の隅に、筒状に丸めたこの壁紙が、何気なく刺してあったんです。手に取ってみたら、美しさと広がりのある世界観を感じるデザインにもう、一目惚れ。何をするあてもなかったけれど、とりあえずまるごと一本、購入しました。でも、壁に貼る勇気はなかなか出なくて。ずいぶん眠らせてしまいました」

しかし、移住コンサルタントであり建築デザイナーの夫・友枝康二郎さんが自邸の近くに事務所を構え、「新たに私だけの空間ができた」ことをきっかけに、ついにDIYを決意。ベッドサイドの壁を、一気に張り替えたのだとか。動画を見て全体の流れをつかんだら、あとは勢いに任せて「糊を塗って貼るだけ」。思っていたよりもずっと早く、2面の壁を貼り終えたときのことを、友枝さんは心からうれしそうに話します。

友枝さんの寝室兼アトリエのイメージ画像
友枝さんの寝室兼アトリエ。「壁紙を貼ってからは、目覚めた瞬間からうれしい気持ちで過ごせるんです」

「最初に貼った壁は、縁に凹凸などのないシンプルな形で、作業をする広いスペースも取りやすい場所。大した苦労もなく、3時間くらいで仕上がったと思います。それなのに、貼った前と後とは、大違い! スライドでサッと景色を入れ替えたみたいに、室内の風景が大きく変わったことに感動したんです。

『なんでもっと早くやらなかったんだろう』、そう思うのと同時に、せっかくならこのクッションも変えたい、天蓋もつけたい、他の部屋も変えたい! と、住み慣れたこの家に改めて向き合う意欲がムクムク湧いてきました」

 

壁紙にも、品質あり。使ったからこそわかる良さ

 

「一度アイデアが思いついたら、すぐにやらずにはいられないタチだから」と笑う友枝さん。最初の熱も冷めないうちに、「屋根裏部屋」と呼んでいるテラス脇の部屋にも挑戦しました。しかしここで、予想外の苦戦を経験。

「前とは違って、四角い壁じゃなかったから、もう大変! 時間はかかるし、よくみるとアラだらけ。最初にこの部屋をやっていたらきっと、『次もやりたい』なんて思わなかったかでしょうね。でも、終わってみればちゃんとそれらしく見えるのは、やっぱり素晴らしいモリスのデザインのおかげだと思います。

そして、はじめて壁紙を貼る方には、最初は簡単なスペースからはじめることを、心からおすすめします」

テラス横の「屋根裏部屋」のイメージ画像
テラス横の通称「屋根裏部屋」。壁紙の効果も手伝い、友枝さんが大好きだというブルーを基調とする空間が印象的
屋根裏部屋のイメージ画像
「壁際の始末に苦労しました」と友枝さん。「最初はシワシワになっちゃった!?と思っても、乾くと意外と大丈夫。あとはお気に入りのデザインが助けてくれます」

加えて、ここで思い知らされたのは「壁紙も、品質の違いによって大きく異なる」ということだったのだとか。

「じつはこの壁紙は、インターネットで安価に入手したものだったのですが、紙も薄くて、質感もちょっと違うような。でも、これに触れていたからこそ、3回目にしてWALLPAPER STOREの壁紙と出会ったときには、『やっぱり、いいものは違う!』って、実感することができました」

 

お気に入りの壁紙は、さらなる創作のきっかけにも

 

3部屋目の壁紙として、友枝さんがWALLPAPER STOREで選んだのは、「Pure Acorn(どんぐり)」。ウィリアム・モリスの没後120年の節目に誕生した、新たなブランド「ピュア・モリス」からの一品です。小さな空間を貼る意外な難しさにたじろぎながらも、「仕上がりのお気に入り度はいちばん!」。

 

どんぐりのトイレのイメージ画像
小さなスペースだからこそ、下準備に時間がかかり、施工時間は寝室より長い約半日。
「たまたまコレクションしていた、リスやどんぐりの置物と愛称抜群でしょう?小さな空間だからこそ、私の『好き』をぎゅっと詰め込むことができた感覚。みんなに自慢したい場所になりました」

リスとどんぐりのイメージ画像

こうして、主要な部屋の壁紙DIYは完了。最後に、ここから広がった楽しみについてご紹介くださいました。

「余った壁紙を、ノートや箱に貼ってみたら、とても良かったんです。部屋に飾れば壁紙との統一感も出るし、古びたものも、パッと生まれ変わって。良いものだからこそ無駄にしたくない、という気持ちから、新たな楽しみが生まれました」

 

壁紙を貼った本のイメージ画像
茶箱のリメイクのイメージ画像
右の大きな箱は、もとは古い茶箱。「取っ手もつけたら、とても使いやすい収納ボックスになりました」

「じつは、まだ他にも貼れるところがないか、もっとよくなる場所があるはず、と今も探している日々なんです」と愛おしそうに部屋を笑顔で見回す友枝さん。「1枚の壁紙を貼ったことで、こんなにもワクワクするなんて、思っていませんでした。器用じゃなくたって、大丈夫。迷ったらぜひ、小さな場所からでもはじめてみて、って、みなさんにお伝えしたいです」

友枝さんからの壁紙アドバイス
  • 段取りが大切。きちんと測って、きれいに切ることは時間短縮にもつながります。
  • とはいえ、大雑把でも意外とキマる!悩んでいるなら、ぜひ挑戦を
  • 派手かな?と思っても、好きなデザインならきっと大丈夫。

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文:玉木美企子 ▷ @mikiko0705 / トビラ舎

写真:平山亮 ▷ @ryo_hirayama

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